研究概要 |
最近2次元の電子系で量子スピンホール効果が盛んに議論されている。量子スピンホール効果は電場に対して垂直な方向にスピン流が発生し、その伝導度が量子化される現象である。量子スピンホール系には一般に、ラシュバ項とよばれる上向きスピンと下向きスピンの電子を結合させるような相互作用が存在し、2次元面に垂直な電場で調節できる。 平成21年度は、電子間相互作用もとりこんだ量子スピンホール系の電磁気応答について詳細に調べた。その結果ラシュバ結合と電子相関の強さが適当な領域にあるとき、スピンホール伝導度の2次の効果でロンドン方程式が得られる事を示した。ロンドン方程式は超伝導体のマイスナー効果を記述する方程式であり、この方程式が量子スピンホール系にも現われる点が興味深い。 代表論文:Jun Goryo, and Nobuki Maeda, "The London equation in the quantum spin Hall system with an electronic correlation" (Submitted to J.Phys.Soc.Jpn.)
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