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2008 年度 実績報告書

多重極線形イオントラップによる新しいタイプのクーロン結晶生成とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 19740249
研究機関上智大学

研究代表者

岡田 邦宏  上智大学, 理工学部, 助教 (90311993)

キーワードイオントラップ / クーロン結晶 / カルシウムイオン / レーザー冷却 / 共同冷却
研究概要

平成20年度は前年度に製作した高周波8重極線形イオントラップを用いたCa^+クーロン結晶の系統的観測を行った. 特にトラップ・パラメータ及びイオン数(4個〜10^4個程度)の違いによるクーロン結晶の形状変化をCCDカメラによって撮像し, その特性を調べた. その結果, ロッド電極に非対称静電圧を印加したとき, 数100個以上の多数イオンではトラップ軸に沿った葉巻型や球殻状といった構造が観測され, 少数イオンの場合, 線形ポールトラップでは見られない楕円状の2次元クーロン結晶の生成が確認された. これは非常に平坦な8重極擬ポテンシャルが電極の理想的配置からのずれや電極表面のパッチポテンシャルによる電場の歪みの影響を受けてイオンが配置した結果と考えられる, 本研究の結果はリング・円筒状結晶の生成にはポテンシャルの円柱対称性を保つことが重要であり, より小型の8重極トラップや6重極トラップが適していることを示している. 一方, 本研究では巨大クーロン結晶(長径1.7mm以上, 10^4個以上)の生成にも成功し, 蛍光スペクトル測定により温度が10mK以下であることを示した. これにより多重極型トラップの高周波加熱効果が従来の線形ポールトラップに比べ小さく, 多数イオンからなる極低温巨大クーロン結晶の生成に適していることを示すことができた. 当初の目的であった分子イオンの共同冷却実験は時間の制約上, 結果を得るに至らなかったが, ^<40>Ca^+クーロン結晶中に同位体^<44>Ca^+と思われる不純物イオンの影を捉えることに成功し, 多重極トラップにおいても共同冷却が可能であることを実験的に初めて示すことができた. これは, 分子イオンNH_3^+の共同冷却実験への布石として重要な成果である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高周波八重極線形イオントラップにおけるクーロン結晶の生成と画像観測2008

    • 著者名/発表者名
      岡田邦宏他
    • 学会等名
      日本物理学会2008年度秋季大会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2008-09-21
  • [学会発表] Observation of Coulomb crystals in a cryogenic linear octupole rfion trap2008

    • 著者名/発表者名
      K. Okada, et. al.
    • 学会等名
      21th International Conference on Atomic Physics (ICAP2008)
    • 発表場所
      Storrs, CT, USA
    • 年月日
      2008-07-31

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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