研究課題
当該年度は、(1)SAR画像データ入手、(2)干渉合成開口レーダー(InSAR)処理の自動化、(3)InSAR時系列処理技術の習得に取り組んだ。(1)に関しては、欧州宇宙機関と締結済みであった共同研究協定に加え、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)とも共同研究協定を結び、研究遂行に必要なデータをそれらの枠と大学・研究所のコンソーシアムであるPIXELなどを通じて入手した。入手データを用いて(2)の処理自動化に取り組み、多くの場合に信頼できる結果が自動的に得られるように処理アルゴリズムを継続的に改良した。これにより、高精度化に必要である多数データの一括処理が可能となった。また、JAXAのALOS衛星搭載のPALSARレーダーによって取得された画像を複数シーン連結し、紀伊半島から若狭湾まで、あるいは東海地方から能登半島までといった南北に日本を横断する領域でのInSAR解析に成功した。しかし、これらのInSAR画像は単一では大気遅延ノイズ等の影響が大きく見られ、これを除去するアルゴリズム構築の重要性が明らかになった。一方、同時に(3)の時系列解析に関しては、公開されているプログラム(米国スタンフォード大学開発)を用いた解析技術を習得し、欧州宇宙機関のENVISAT衛星のデータを用いて本研究のターゲット領域に含まれる新潟県中越地域の地表面変動の時間変化追跡に成功した。これにより、今後(2)の自動処理プログラムと融合させ高精度に地表面変動の時間変化追跡するための礎ができた。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)
Earth, Planets and Space 60
ページ: 99-104