国立天文台すばる望遠鏡の観測所プロジェクト"SDPS"で、おうし座分子雲の付随する若い天体の近赤外コロナグラフ観測を行った。その結果、おうし座分子雲の古典的Tタウリ型星近傍に存在する暗い天体を55天体発見した。これらは近赤外域で非常に暗く数木星質量の原始惑星である可能性がある。そこで、これらのうち26天体に対して、すばる望遠鏡の近赤外分光装置IRCSを用いて低分散の分光観測を行った。その結果、これらの天体の多くは低温天体に特徴的な水の深い吸収バンドを示さないことから、原始惑星ではなく背景星であることがわかった。ただし、過去のデータと位置を比べることにより、2天体はTタウリ型星と同じ固有運動を持っており、付随する原始惑星である可能性が高いことが判明した。 また同じプロジェクトで、古典的Tタウリ型星であるDO Tauの周囲に星周構造を、コロナグラフ観測で検出した。この構造はハッブル宇宙望遠鏡の可視光コロナグラフデータでも検出されており、両波長でその構造は非常に似ている。これは原始惑星系円盤であるか、大きなエンベロープの名残であると考えられる。
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