研究課題
前年度に引き続き、米国大気研究センター、カナダ、東京大学-国立環境研究所、気象庁気象研究所の全4種の大気化学-気候結合モデル(CCM)の出力データ(それぞれ、WACCM、CMAM、CCSRNIES、MRI)、および、1種加えた全5種の全球再解析データ(JRA、ERA40、ERA-Interim、NCEP1、NCEP2)について、気候場の比較をおこなうとともに、熱帯の対流圏界面(100hPa)の波動解析(時空間スペクトル解析)を系統的におこなった。全球再解析データ間でも波動活動の大きさには大きな幅があることが判明した。4種のCCMはおおよそその範囲に入っていたが、WACCMが最も大きな、CCSRNIESが最も小さな波動活動度を示していた。それらの結果を、各国のCCMを比較検証する国際的な活動(CCMVal)のアセスメントレポートのChapter 7.4.6 Intra-seasonal Variability/Wavesにまとめた。本レポートは現在、査読過程が全て終了し、印刷待ち状態にある。さらに、このレポートのChapter 7の一部(7.4.6は含まず)を、共著者のひとりとして投稿論文(タイトル:Multi-model assessment of the Upper Troposphere and Lower Stratosphere : Tropics and Trends)にまとめ、Journal of Geophysical Research (JGR)誌に投稿した。現在、第一回目の査読過程が終了したところである。また、関連した研究として、1993年から2009年にかけての熱帯下部成層圏の水蒸気ゾンデ観測データを用いた季節変動・年々変動・十年規模変動の解析、および、全球非静力学モデル(Non-hydrostatic ICosahedral Atmospheric Model, NICAM)の出力データの熱帯対流圏界面領域における対流雲の役割に注目した解析をおこない、それぞれ論文化してJGR誌に投稿した。現在、前者は査読過程中、後者は受理後印刷待ちの状態である。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
Journal of Geophysical Research 114
ページ: D09304, doi:10.1029/2008JD011040
Scientific Online Letters on the Atmosphere 5
ページ: 109-112