研究概要 |
本研究の目的は、熱帯降水システムに伴う潜熱加熱構造が大気大循環に与える影響を理解である。Schumacher et al.(2004)は熱帯降雨衛星(TRMM)搭載の降雨レーダ(PR)データから推定した潜熱加熱プロファイルを大気大循環モデルに入力した熱源応答実験を行った。しかしながら、固定した対流性・層状性加熱鉛直分布を用いて対流性・層状性降雨量比から潜熱加熱プロファイルを推定しているため、地域・季節的な対流性加熱プロファイルの違いを考慮に入れていなかった。本研究は、PRの鉛直情報を積極的に活用するSpectral Latent Heating(SLH)アルゴリズム(Shige, Takayabu et al. 2004)によって、鉛直分布に関する精度の高い3次元潜熱加熱のデータセットを作成・解析し、簡略化した大気大循環モデルに入力して、グローバルな大気の応答を調べる。また、Schumacher et al. (2004)の推定法と似たConvective StratiformHeating(CSH)アルゴリズム(Tao et al. 1993, 2000)による推定結果と比較する。
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