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2008 年度 実績報告書

ヤマセ雲を例とした数値予測モデルにおける下層雲のパラメタリゼーションの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19740299
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

野田 暁  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 特任研究員 (80396431)

キーワード乱流 / パラメタリゼーション / 下層雲 / 雲放射 / 部分凝結 / 数値シミュレーション / 境界層 / 大気モデル
研究概要

本年度はラージエディシミュレーションによって得られた境界層雲に関する4次元データを用いて開発を行った下層雲と乱流過程に関するパラメタリゼーションが現実場においてどのような振舞いをするのか試験を行なった。その結果、パラメタリゼーションを用いない場合には水蒸気が大気境界層下部に対流する傾向があり、このことが下層雲を過剰に生成する結果につながる。これに対して、パラメタリゼーションを用いると乱流に伴う鉛直熱輸送が活発化し、下層雲の過剰生成を緩和することがわかった。これにより雲と放射過程のフィードバック効果をより適切にコントロールできることが示唆される。パラメタリゼーションを用いることにより山岳域付近の境界層において乱流エネルギーの増加が見られた。この増加は主に山岳を越える気流に伴う鉛直風シア生成が寄与して起きたものであった。また、洋上では大気最下層空気よりも海面温度が僅かに高いことによる浮力生成によって乱流エネルギーが生成されている。このことからパラメタリゼーションはサブグリッドスケールで起こる乱流の振舞いをより適切に表現できていると考えられる。本研究は層状雲、あるいは層積雲の様な比較的均一な乱流に伴う運動を対象とした。一方、現実大気では、例えば、亜熱帯域、熱帯域で恒常的に発生する積雲の様な非均一性の強い乱流運動に伴って起こる熱輸送も起こる。今後はこの様な現象へも対応可能なパラメタリゼーションへと拡張することが課題とされる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Temporal evolution and spatial structure of the local easterly wind "Kiyokawa-dashi" in Japan PART I: Coherent doppler lidar observation2008

    • 著者名/発表者名
      Ishii, S.
    • 雑誌名

      J. Meteor. Soc. Japan 85

      ページ: 797-813

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大気境界層雲のLES2008

    • 著者名/発表者名
      野田暁
    • 雑誌名

      気象研究ノート 219

      ページ: 89-116

  • [学会発表] Characteristics of the boundary-layer clouds in a global 14 km-mesh experiment by NICAM.2008

    • 著者名/発表者名
      Noda, A. T.
    • 学会等名
      15th International Conference on Clouds and Precipitation
    • 発表場所
      Gancun, Mexico Gran Melia Hotel
    • 年月日
      2008-07-09

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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