研究概要 |
平成19年度には,株式会社西日本流体技研の協力の下,本研究遂行の要である二次元振動板装置の設計・製作が行われた.この装置は,直径1mの振動板を,直交する二方向(X,Y方向)にそれぞれ振動させる装置であり、移動床を設置した振動板を水中で振動させることで,波が引き起こす振動流下におけるベッドフォームの自己組織化を模式的に再現ことができる.X,Y方向それぞれについて,コンピュータ制御により,単振動(各振動運動の周期・振幅およびX,Y運動の位相差をコントロール可能),もしくは任意波形の振動運動を発生させることができ,さまざまなX-Y運動を組み合わせにより,複雑な二次元振動流を模した振動運動をおこすことが可能である. これまでの予備実験により,実験に適した振動条件(振動運動の加速度の上限)を明らかにした.また,円運動下では稜線が六角形網目を示すリップルマーク(いわゆるinterference ripple)が形成されることが明らかになり,現在,リップルの三次元性と楕円運動の軌道の長径短径比の関係,およびリップル稜線の網目サイズと振動特性の関係について検討を行っている. また,平行して,このような三次元リップルの形成が二次元的な振動運動に依存していることを示すため,複雑な一次元振動流下におけるベッドフォームについて実験を行った.波と流れの進行方向が平行な複合流ベッドフォームについて検討し,その結果,一次元振動運動下においては,流れの特性に応じて断面形状やサイズは変化するものの,三次元パターンを示すリップルは形成されにくいことを示した.こちらの研究結果については,2007年11月開催の日本地形学連合2007年秋季大会にて公表したほか,2008年4月開催の国際ワークショップMARID2008において公表する予定(講演要旨受理済)である
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