研究概要 |
斜め重複波下で形成されるベッドフォームについて重点を置き, 二方向振動板実験をおこなった.実験では, 砂床上の水深20cmの条件下で平滑な砂床(粒径0.2mm, 厚さ2cm)を振動させ, リップルを発達させた. 二方向の振動の位相差をπ/2で一定, 両者の周期を1.0-2.5sで等しくし, 各振動の全振幅を0-12cmの範囲で組み合わせることで, 短径/長径比が異なる楕円運動を発生させた. 実験の結果, リップルの三次元性は楕円運動の短径/長径比に依存し, 2/5以下で二次元リップル, 3/5以上でinterference rippleが形成されることが明らかになった. また, 円運動により形成されるinterference rippleのサイズを解析したところ, 円軌道の直径とリップルサイズには, 単純な比例関係は成り立たないことを明らかにした. 貧砂状況における実験では, 円運動下で必ずしも三次元リップルが形成されないことが明らかになった. この場合, リップルフィールドは, 波峰線のオリエンテーションが異なる, いくつかの領域に区分される. 各領域の波峰線オリエンテーションは, 振動板縁辺の影響を受ける傾向が見られた. 平成19年度に開発した二方向振動板装置について, 装置の概要を筑波大学陸域環境研究センター報告で公表した.また, 二次元振動運動下で形成されるベッドフォームとの比較を目的に, 一次元振動流下におけるリップル変形実験, 複合流実験をおこなった. その成果の一部を国際学会で公表し, 論文として投稿した.
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