研究課題
硫黄同位体分析法の改善のため多段回ガスクロマトグラフィーを導入した。この結果、イオウ同位体分析精度が^<36>Sについて3倍程度に向上する事に成功した。既に採集された岩石約40試料について硫黄抽出を行い、その同位体比分析を行った。その結果、約30億年前の同位体異常が無いと見なさた時代の岩石に小さいながらも有意な同位体異常が存在する事が明らかになった。これは当時の酸素濃度が低かった事を示唆する結果であり、論争に一石を投じる結果となった。また硫化水素試料の回収のため船内に持ち込み可能な小型真空ラインを作成したのち、沖縄トラフにおいて熱水調査に参加し試料を採集するとともに、現在の海底熱水に生息する原始的原核生物が生成する硫化水素と熱水に含まれる無機的硫化水素の両者が示す硫黄同位体比を実測した。その結果、生物代謝がしめす同位体比の特徴としてD^<33>S値のみが高いという結果を得た。一方微生物過程による同位体比分別係数を決定するため、元素硫黄還元菌の培養実験を開始し予察的な分析を行った結果、同種の原核生物が示す同位体分別は硫酸還元菌のそれと比較して極めて小さいらしい事が明らかとなりつつある。これは硫黄同位体組成を用いてこれら二種の生物代謝が区別可能である事を示唆している。
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