研究概要 |
本年度前半は,研究の基礎試料となるアンモナイト化石の採取を行った.6月および8月の2回にわたり,北海道北西部に分布する白亜系である蝦夷層群羽幌川層の調査を行い,アンモナイト化石及びアンモナイト化石を産出した地層の周囲の泥岩の採取を行った.調査は羽幌地域および達布地域の2ケ所で行い,特に羽幌地域では,初生的な殻体の微細構造が溶解せずに保存されている多数採取することができた. 次に,研究当初から予定していた,極めて高倍率の実体顕微鏡(カールツァイス製SteREO Discovery V12)を購入し,上記により採取された化石の詳細な観察と,殻体の同位体比測定用のサブサンプリングを行った。具体的には,実体顕微鏡下でアシモナイトや,アンモナイトと共産する二枚貝化石などの殻体の最外殻層(稜柱層)を除去し,殻体の内層である真珠層を露出させ,マイクロドリルを用いて,この真珠層の削出を行った,これにより得られた粉末サンプルを,独立行政法人産業技術総合研究所地質情報研究部門物質循環研究グループ現有の同位体質量分析計(VG Optima)を用いて分析した.
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