本研究は、前期白亜紀に起きた海洋無酸素事変OAE-1aと地球最大の洪水玄武岩オントンジャワ海台の形成に関連あるかどうかを、堆積岩の鉛同位体組成という新しい指標を用いて検討した。その結果、1)OAE-1aが始まる数十万年前に陸上噴火が、2)OAE-1aと同時期に大規模な海底火山活動が起きたことを明らかにした。前者は世界規模の海洋生物の群集組成変化に、後者は海洋無酸素化や海洋酸性化の時期と一致している。本研究は、様式の異なる2回の大規模火山活動が、それぞれ海洋生物・環境イベントに関連したことを明らかにした点が画期的である。
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