研究課題
1.マントル内部へ沈み込んだ海洋地殻物質のレオロジー的性質を明らかにすることを目的として、ザクロ右とオリビンの二層相対強度比実験に取り組んだ。その結果、マグネシウム成分(パイロープ)の多いザクロ石はオリビンより強度が高いが、鉄成分(アルマンディン)に富んだザクロ石はオリビンより柔らかいことが分かった。この結果は、マントル組成のザクロ石は周りのマントルより粘性率が高く余り変形しないが、鉄成分の多い海洋地殻起源のザクロ石はマントルより柔らかく変形し易いことを意味している。また、ザクロ石の塑性強度は結晶中に取り込まれる含水量に強く依存する結果が得られ、含水条件により沈み込んだ海洋地殻(ザクロ石)の挙動が激的に変化することが予想される。また、これらの成果を学術会議ならびに国際誌にて発表した。2.さらにザタロ石の塑性強度およびマントルを代表するオリビンとの相対強度に対する物理条件および化学条件の効果を調べるために、広島大学設置のグリッグス型変形装置の改良を行い高温高圧条件下で安定に岩石鉱物の変形実験を行えるように技術開発をしている。この件に関しては、来年度も引き続き行っていく予定である.3.マントル捕獲岩や三波川変成岩中の天然の試料においてザクロ石の変形粗織を調べ、室内変形実験の結果と比較し、どのような変形機構が天然め条件(非常に遅い歪み速度)で卓越しているかを検証している。これまでの予察的な結果によると、自然界では実験室や見られる転位クループ支配め変形機構に加え応力不均質による異方成長や圧力溶解の痕跡も見られる。
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