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2009 年度 実績報告書

コンドライト中マトリックスの物質科学的情報に基づく原始太陽系星雲の化学分別の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19740336
研究機関九州大学

研究代表者

岡崎 隆司  九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (40372750)

キーワードエンスタタイトコンドライト / マトリックス物質 / 酸素同位体 / 希ガス同位体 / 希土類元素 / シリカ鉱物 / オルダマイト / 原始太陽系星雲
研究概要

EH3コンドライト(Sahara 97096,97121,97158)に細粒のマトリックス部を数箇所発見した。詳細な顕微鏡観察の結果、これらのエンスタタイトコンドライトの細粒マトリックスは、主にlow-Ca pyroxene (En_<93>-_<100>), plagioclase (glass), SiO_2-rich phases, FeNi metal (Si-rich), troilite, niningerite, olivineから構成されていることが判明した。細粒マトリックスの主要・微量元素組成はCIコンドライトに近いがSi, K, Na, P, Sに富むが、Ca, Mnに乏しいものであった。顕微ラマン分光分析の結果、主要鉱物であるエンスタタイトのラマンシフト(波数675,1015nm^<-1>)は極めてブロードであり、結晶性が低いことが示唆された。また、グラファイト様物質の特徴である1355,1600nm^<-1>のピークが細粒マトリックスの至る所にみられた。これらのピークもブロードであり、ピーク幅及び強度比は非常に多様性に富み、彗星起源粒子に類似するものも確認された。これらの結果はエンスタタイトコンドライトの細粒マトリックスは非平衡な物質から構成されていることを示している。一方、不透明鉱物の化学組成(Fe-Ni metal中Si,Ni含有量、troilite中Cr, Ti含有量)は弱い加熱を経験したことを示唆する。
以上の結果から、エンスタタイトコンドライト細粒マトリックスは、非晶質で化学組成や結晶構造に不均一性に富んだ始原的な物質の集合であるが、一部は天体上で加熱の影響を受けた物質も混合していると推察される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] エンスタタイトコンドライトの始原物質2009

    • 著者名/発表者名
      岡崎隆司、中村智樹
    • 学会等名
      日本地球化学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2009-09-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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