研究概要 |
分散メモリ型スカラー計算機で実行性能を得るため,領域分割法による分散並列手法を開放系電磁粒子シミュレーションコードPASMOに適用した.今回採用した領域分割法では1次元方向のみ(電流方向)でシミュレーションボックスを分割した。分割されたそれぞれの領域での電磁場や粒子データをそれぞれの領域に割り当てられたMPIプロセスが担当して,運動方程式やMaxwell方程式をその領域内について解く。今年度は、Quiet-Start法を適用した上流境界に領域分割法を適用することに成功した。Poissonソルバーに対して領域分割ができないため、今後の計算領域の拡大を考慮すると、多重極分解法や所的に電荷保存が保証される方法の適用などを検討する必要がある。また、プラズマのシミュレーション結果の可視化について、その発展研究として、平衡プラズマのシミュレーション結果と実験装置データを一つの仮想現実(VR)空間で同時に可視化することができるようになった。VR空間の中で、平衡プラズマの圧力等値面、磁力線、ドリフト粒子の軌道を対話的に描かせつつ、それらの可視化結果が写実的に表現された実験装置内部に表示される。これにより、シミュレーション結果のより直観的な理解や、実験装置とプラズマの位置関係の理解の促進、実験観測ポートからプラズマを観測することによる実験観測装置の開発への貢献など、様々な応用が期待される。
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