磁性伝導体の全ての相互作用パラメータの分子軌道法による厳密計算と分子設計への適用

2009 年度 自己評価報告書

• 研究課題/領域番号: 19750005
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 物理化学
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 川上 貴資 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30321748)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2010
• キーワード: 強相関電子系 / 磁性 / スピンエレクトロニクス / 超伝導材料・素子 / 分子性固体

研究概要

本申請課題にて申請者が研究対象として解析する新奇物質系は、ドナー分子層の伝導性とカウンターイオン層の磁性がカップリングした各種の「磁性伝導体」の分子性結晶である。これらに関しては、既に小林(分子研)らにより超伝導性+反強磁性の性質を有するκ-BETS2FeX4が報告され非常に注目を集めた。しかしながら、超伝導性+強磁性である物質の探索は未だ発展途上であり、申請者も非常に興味を持っており是非とも理論的に予言をしたい。更に、これらの研究の成果として、実験科学者から種々の興味深い物質系が報告されている。本申請課題では種々の磁性伝導体の分子性結晶を包括的に取り扱うことができる理論的な方法論の開発と、各分子性結晶への適用を行う。その結果として、実験と相補的に理論からの分子設計を目指す

研究成果

• [雑誌論文] Symmetry and Broken-Symmetry in Molecular Orbital Descriptions of Unstable Molecules III. The Nature of Chemical Bonds of Spin Frustrated Systems (2009)
  • 著者名/発表者名: T. Kawakami, R. Takeda, S. Nishihara, T. Saito, M. Shoji, S. Yamanaka, Y. Kitagawa, M. Okumura, K. Yamaguchi
  • 雑誌名: J. Phys. Chem. A 113 ページ: 15281-15297
  • 査読あり
• [雑誌論文] Quantum dynamic simulations for single molecular magnets using anisotropic spin models (2009)
  • 著者名/発表者名: T. Kawakami, H. Nitta, M. Takahata, M. Shoji, Y. Kitagawa, M. Nakano, M. Okumura, K. Yamaguchi
  • 雑誌名: Polyhedron 28 ページ: 2092-2096
  • 査読あり
• [雑誌論文] W. Mori Theoretical studies of radical spin arrangements in the cavity of nanoporous complexes (2007)
  • 著者名/発表者名: T. Kawakami, M. Takenaka, Y. Nishimura, Y. Kitagawa, M. Okumura, Y. Yamaguchi, S. Takamizawa
  • 雑誌名: Polyhedron 26 ページ: 2367-2374
  • 査読あり
• [学会発表] 磁性分子としての酸素分子の低次元細孔への吸蔵や分子表面への吸着現象の理論計算 (2010)
  • 著者名/発表者名: 川上貴資,木下啓二,北河康隆,山口兆,奥村光隆
  • 学会等名: 日本化学会春季年会
  • 発表場所: 近畿大学
  • 年月日: 20100326-20100329
• [学会発表] 分子軌道法による相互作用パラメータの第一原理計算と磁性体等への展開 (2009)
  • 著者名/発表者名: 川上貴資,武田亮,庄司光男,新田浩也,北河康隆,山口兆,奥村光隆
  • 学会等名: 触媒討論会
  • 発表場所: 宮崎大学
  • 年月日: 20090927-20090930
• [図書] Multifunctional Conducting Molecular Materials (2007)
  • 著者名/発表者名: T. Kawakami, M. Shoji, T. Taniguchi, Y. Nishimura, M. Takenaka, K. Kitagawa, S. Yamanaka, M. Okumura, K. Yamaguchi
  • 総ページ数: 101-104
  • 出版者: RSC Publishing