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2007 年度 実績報告書

フォトクロミック電荷移動錯体結晶の光誘起電荷移動量変化による固体物性制御

研究課題

研究課題/領域番号 19750023
研究機関立教大学

研究代表者

森本 正和  立教大学, 理学部, 助教 (70447126)

キーワード分子結晶 / 電荷移動錯体 / 有機電導体 / フォトクロミズム / ジアリールエテン
研究概要

フォトクロミック反応により電荷移動量変化を示す電荷移動錯体結晶を創製することを目指して、本年度は、1.酸化電位を大きく変化させるジアリールエテンドナー分子の設計と合成、2.電荷移動錯体結晶の作製ならびに結晶構造と電荷移動量の解析について検討した。
1.分子軌道計算を行った結果、電子ドナー部位を有するジアリールエテンの末端に電子求引性置換基を導入すると、閉環体において電子求引効果がドナー部位に影響するため、光異性化に伴う酸化電位の変化が大きくなることが示唆された。そこで、フェニレンジアミン部位を有するジアリールエテンの末端にアルデヒド基を導入した分子を薪規に合成した。この分子の閉環体において吸収スペクトルの大きな長波長化がみられたことから、電子求引効果の寄与が示唆された。また、この分子の光反応による酸化電位変化の挙動は、以前に合成した末端にフェニル基を導入した分子とは異なっており、現在詳細を検討している。
2.電子ドナー部位としてフェニレンジアミンおよびテトラチアフルバレンを有するジアリールエテンについて様々なアクセプター分子との組み合わせを検討した結果、両者についてテトラシアノキノジメタン誘導体との電荷移動錯体結晶を作製することができた。X線結晶構造解析および赤外スペクトルより、前者は分離積層構造で電荷移動量1、後者は交互積層構造で電荷移動量0.2であることが明らかとなり、これらの結晶構造と電荷移動量はドナー・アクセプター分子の酸化・環元電位の差を反映していることが示唆された。また、フェニレンジアミン部位を有する錯体については固体状態でフォトクロミズムを示すことが認められた。
本研究により得た、フォトクロミック電荷移動錯体結晶の合成と結晶構造ならびに電子状態に関する知見は、光機能性電荷移動錯体結晶の創製へ向けての基礎となると期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Absolute asymmetric photocyclization in chiral diarylethene co-crystals with octafluoronaphthalene2008

    • 著者名/発表者名
      Masakazu Morimoto
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      ページ: 335-337

    • 査読あり
  • [学会発表] ジアリールエテンとオクタフルオロナフタレンからなる2成分結晶の絶対不斉フォトクロミック反応2008

    • 著者名/発表者名
      森本正和、小畠誠也、入江正浩
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学池袋キャンパス
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] マンガン四核単分子磁石をフォトクロミック配位子により連結した一次元鎖集積体の磁気挙動2007

    • 著者名/発表者名
      森本正和、高石慎也、梶原孝志、宮坂等、山下正廣、入江正浩
    • 学会等名
      2007年光化学討論会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2007-09-27

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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