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2008 年度 実績報告書

フォトクロミック電荷移動錯体結晶の光誘起電荷移動量変化による固体物性制御

研究課題

研究課題/領域番号 19750023
研究機関立教大学

研究代表者

森本 正和  立教大学, 理学部, 助教 (70447126)

キーワード分子結晶 / 電荷移動錯体 / 有機電導体 / フォトクロミズム / ジアリールエテン
研究概要

フォトクロミック反応により電荷移動量変化を示す電荷移動錯体結晶を創製することを目指して、酸化電位を大きく変化させるフォトクロミック分子の合成、ならびに電荷移動錯体結晶のフォトクロミック反応による電荷移動量と電気伝導度の変化について検討した。また、研究を進める過程の中で、結晶が光可逆な形状変化を示すことを見出したので、その機構を検討した。
電子ドナー部位としてフェニレンジアミン部位を有するジアリールエテンの末端に電子求引性基(アルデヒド基、ジシアノエチレン基)を導入した新規分子について、電気化学特性とフォトクロミック反応特性を検討した。アルデヒド基を有する分子は、フォトクロミック反応に伴い、以前に合成したフェニル基を有する分子よりも大きな酸化電位の変化を示したことから、本研究の分子設計指針の有効性を確認した。また、強い電子求引性基を有する分子ほど、分子内電子供与・求引効果により閉環体の吸収帯が長波長化し、紫外光照射時の異性化反応変換率が低下することも分かった。
テトラチアフルバレン部位を有するジアリールエテンとテトラシアノキノジメタン誘導体からなる1:1交互積層型結晶について温度可変赤外スペクトルを測定したところ、低温においてテトラシアノキノジメタン由来の吸収帯がシフトしたことから、温度によって電荷移動量が変化することが示唆された。光照射を行ったが、この結晶については光反応性が抑制され、赤外スペクトルの変化は見られず、電荷移動量の変化は観測されなかった。電気伝導性についても光照射による変化は観測されなかった。
ナフタレン部位を有するジアリールエテンとオクタフルオロナフタレンからなる1:2交互積層型結晶が紫外光および可視光の照射により可逆的な屈曲変形を示した。X線結晶構造解析により、光反応に伴う分子構造変化と結晶構造変化、変形挙動の相関を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Photochromism of diarylethene derivatives having cyclohexyl and cyclohexenyl groups in single-component crystals and atwo-component mixed crystal2009

    • 著者名/発表者名
      Masakazu Morimoto
    • 雑誌名

      Tetrahedron Letters 50(In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] ジアリールエテン単結晶の光誘起屈曲変形2009

    • 著者名/発表者名
      森本正和
    • 学会等名
      第89日本化学会春季年会
    • 発表場所
      日本大学船橋キャンパス
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] 異種複合型フォトクロミック分子結晶の結晶構造と光機能2008

    • 著者名/発表者名
      森本正和
    • 学会等名
      第58回錯体化学討論会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] ジアリールエテン単結晶の光可逆な屈曲変形2008

    • 著者名/発表者名
      森本正和
    • 学会等名
      2008年光化字討論会
    • 発表場所
      大阪府立大学中百舌鳥キャンパス
    • 年月日
      2008-09-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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