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2007 年度 実績報告書

ポリアラインの多成分連結反応を鍵とする多官能性芳香族化合物群の迅速合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19750028
研究機関東京工業大学

研究代表者

羽村 季之  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20323785)

キーワード多官能性芳香族化合物 / ベンザイン / ポリアライン / ハロゲンー金属交換反応 / 環形成反応 / ジシクロブタベンゼン / 芳香族性 / 構造化学
研究概要

多くの置換基を有する多官能性芳香族構造は、各種の有用化合物にしばしば見出されるが、こうした高次構造を選択的に合成することは必ずしも容易ではなく、その効率的な合成法の開発は有機合成化学における重要な研究課題の一つである。本課題において研究担当者は、高度にひずんだ三重結合がもたらす特異な反応性を内在する"ベンザイン"に着目し、これを同一の核に複数個含む"ポリアラインフ"あるいは"その等価体"を合成反応に利用した斬新でユニークな多官能性芳香族構築法を開発に取り組んでいる。
これの実現のため、本年度では、真に官能基選択性に優れたベンザインの発生法の開発を行うべく、同一核に複数のベンザイン発生部位を兼ね備えた二種類のポリアライン前駆体を設計し、そのポリアライン等価体としての可能性を重層的に探った。その結果、ビスーベンザイン前駆体の位置選択的な"ハロゲンー金属交換反応"を鍵とする逐次的なベンザインの発生と連続的な環形成反応を利用して、構造化学的に興味深い、同一芳香環に二つの四員環が縮環した多官能性ジシクロブタベンゼンをワンポットで合成する方法を開発することができた。これらの化合物は高いひずみに由来する未知の反応性を内在しており、四員環を足掛かりとした変換が可能な有用な合成中間体である。また、この反応を基盤として芳香族性の観点から興味深い四員環がすべてsp_2炭素で置換されたテトラメチレンジシクロブタベンゼン及びテトラオキソジシクロブタベンゼンの合成に成功し、その三次元構造を明らかにすることもできた

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Ring Selectivity: Successive Ring Expansion of Two Benzocyclobutenes for Divergent Access to Angular and LineaBenzanthraquinones2008

    • 著者名/発表者名
      Takeaki Suzuki, Toshiyuki Hamura, Keisuke Suzuki
    • 雑誌名

      Angew. Chem、 lnt、Ed. 47

      ページ: 2248-2252

    • 査読あり
  • [学会発表] π共役型ポリシクロブタベンゼン類の合成と構造2008

    • 著者名/発表者名
      羽村季之
    • 学会等名
      第88回日本化学会春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] トリシクロブタベンゼンのヘキサラジアレンヘの熱的異性化における置換基効果2008

    • 著者名/発表者名
      篠崎真也・羽村季之・松本隆司・鈴木啓介
    • 学会等名
      第88回日本化学会春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] ビスーペンソシクロブテン誘導体の環選択的反応と多環式化合物合成への応用2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木武明・羽村季之・松本隆司・鈴木啓介
    • 学会等名
      第88回日本化学会春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] α,a-ジアルコキシペンザインの反応の位置選択性における置換基効果2008

    • 著者名/発表者名
      福井伸明・鈴木武明・羽村季之・松本隆司・鈴木啓介
    • 学会等名
      第88回日本化学会春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-28

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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