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2007 年度 実績報告書

9族金属錯体を用いる酸化剤不要のアルコール酸化触媒系の開発と合成化学的応用

研究課題

研究課題/領域番号 19750075
研究機関京都大学

研究代表者

藤田 健一  京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (80293843)

キーワードイリジウム触媒 / 酸化反応 / アルコール / 水素
研究概要

本研究者は、Cp*(ペンタメチルシクロペンタジエニル)を配位子として有する9族金属(イリジウム・ロジウム)触媒の化学に注目し、研究に取り組んできた。この中で、アルコール分子の関わる水素移動型反応において、[Cp*IrCl_2]_2ならびに[Cp*RhCl_2]_2が極めて高い触媒活性を示すことを見出し、これらを触媒として活用する様々な有機合成触媒系を開発してきた。本研究課題では、新たに機能性配位子をこれらの錯体に導入し、酸化剤を必要としないアルコール酸化触媒系、すなわち脱水素型酸化触媒系の開発に取り組んだ。
本年度は、最初に高活性な触媒分子の合成について検討し、続いてこれらを用いた第二級アルコールの脱水素型酸化反応により、ケトンを生成する触媒反応として発展させることを試みた。まず、[Cp*IrCl_2]_2と2-ヒドロキシピリジンとの反応により、新規錯体Cp*Ir(Py-2-OH)Cl_2を合成し、その構造を単結晶X線解析により明らかにした。同錯体を1-フェニルエタノールの脱水素型酸化反応の触媒として用いることにより、アセトフェノンが良好な収率と高い触媒回転数をもって得られることを見出した。他の第二級アルコールの脱水素型酸化反応についても検討し、各種芳香族ならびに脂肪族アルコールの酸化が良好に進行することを明らかにした。
さらに、本触媒反応の機構についても調査し、重要な触媒中間体Cp*Ir(2-pyridonate)Clの単離と構造決定に成功した。このことから、本触媒反応は、反応中に生成するCp*イリジウムヒドリド種が2-ヒドロキシピリジン配位子の酸性ヒドロキシ基の作用によって脱水素する過程を鍵段階として進行することを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 9族金属錯体の水素移動触媒機能を活用する効率的有機合成反応の開発2008

    • 著者名/発表者名
      藤田 健一
    • 雑誌名

      有機合成化学協会誌 66

      ページ: 322-331

    • 査読あり
  • [学会発表] New Catalysts for Oxidant-free Oxidation: Cp*Ir Complex-Catalyzed Dehydrogenative Oxidation of Alcohols2007

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Fujita
    • 学会等名
      14th IUPAC International Symposium on Organometallic Chemistry Directed Towards Organic Synthesis (OMCOS 14)
    • 発表場所
      Nara, Japan
    • 年月日
      2007-08-03

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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