研究概要 |
糖鎖が糖鎖以外の分子と共有結合した分子である複合糖質は、生理作用を示す分子として知られるだけでなく、機能性材料にも成り得たりすることから有用な分子群として認識されている。これら複合糖質を調製しようとした場合、各々の分子の特性が影響するため、反応温度や反応溶媒等,適した反応条件が異なる場合が多く、合理的な反応系を設計するのが困難である。しかし生体内においては、全ての共有結合の形成は酵素反応によって完結している。このことは、合理的な反応系を設計することにより、酵素反応を効率的に進行させることが可能であることを示している。本研究においては、自然界で自発的に起きている2つの現象である、アマドリ転位反応と多糖による包接現象を活用する、酵素触媒糖鎖付加反応システムを、より多様な手法とするための条件検討を行い、高効率化へ向けた手法への展開を目出す。
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