本研究では気化させたモノマーを重合に利用する気相重合法を用いて従来の溶液重合法に比べ、モノマーの飽和蒸気圧を制御することによって反応系中の分子運動を物理的に抑制出来ることに着目し、これまでに例のない気相重合による高次構造が制御された表面処理技術の確立を目的におこなった.本計画において気相重合により得られるポリマーの立体規則性について溶液重合との比較検討を行った結果、気相重合により得られる薄膜の立体規則性は固-気界面の影響を受けていることがわかった.以上の結果、基板となる固体表面を選択することで薄膜の物理的性質が変化すると考えられ、機能性薄膜の新しい構築法として期待される.
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