研究概要 |
1.アニリンを骨格に有する架橋硫黄型オリゴマーの合成を検討した。その結果、目的のオリゴマーが収率20%で得られることが明らかになった。さらに、合成した3量体の単結晶X線構造解析を行ったところ、アミノ基の水素原子と架橋スルホキシドの酸素原子間に顕著な分子内水素結合を確認できた。本結果は、スルホキシドの配向によって分子構造を制御できる可能性を示唆している。 .2.イミダゾール骨格を有するフェノールオリゴマーの合成塗検討した。フェノール2量体のクロロメチル化に続いてメチルイミダゾールを反応させた。その結果、目的のオリゴマーを合成することができた。今後、アニオン性ホスト化合物および金属との錯形成能が期待できる。 3.光学活性なスルフィニル誘導体を配位子に用いて、アルキル亜鉛のアルデヒドへの不斉反応を行った。その結果、2量体を用いた場合に10%ee、3量体を用いた場合には26%eeの不斉収率が得られた。本結果はオリゴマー鎖を増加することで不斉収率の改善が期待できる可能性を示唆している。 4.チオフェン骨格を有するオリゴマーを合成し、縮環反応によって新規なジベンゾチオフェン誘導2体の合成に成功した。今後、電子材料としての特性が期待できる。 5.水溶性フェノールとジアミンを反応させて、新規な水溶性サレン型化合物を合成した。また、このマンガン錯体が活性酸素消去能を有することが明らかになった。 6.容易に官能基変換が可能な光学活性なスルホキシド型フェノールオリゴマーの確立を目的として、ホルミル基を有するオリゴマーの合成を検討した。その結果、Duff反応を用いることにより目的のホルミル化体を収率16%で合成することができた。また,スルホン型フェノールオリゴマーを合成し種々のアミノ酸との錯形成能を評価した。しかし、蛍光特駐に変化カミ見られなかった。
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