研究概要 |
■ 分子シミュレーション グランドカノニカル(grand canonical(GC))アンサンブル(温度,体積,化学ポテンシャル一定)に基づく経路積分モンテカルロ(path integral Monte Carlo (PIMC))法を採用したシミュレーションプログラム(GC-PIMC)を完成させた。現在,各種ナノ細孔(FSM, MCM-41など規則性メソポーラスシリカを対象とするシリンダー型細孔,ゼオライトなどのシリンダー型ミクロ細孔,活性炭などのカーボンスリット型細孔)を対象とできるよう,拡張作業を行っている。 ■ 実験 極低温(4 K以上)における気体吸着測定用クライオスタットを用いた気体吸着量測定を行うため,キャパシタンス圧力計を有するガスハンドリングシステムの製作を進めており,試験的に炭素被覆メソポーラスシリカヘのNe吸着測定(〜27 K)を開始した。さらに,気体吸着測定用クライオスタットに比熱測定用のセルを取り付けられるよう,設計・開発を行い,現在,取付・調整中作業中である。炭素被覆メソポーラスシリカについては,SPring8のBL02B2ビームラインにおいて粉末X線回折測定を行い,その細孔構造解析を進めている。この細孔構造モデルを上記シミュレーションに応用することにより,実験とシミュレーション結果との直接的な比較を目指す。また,この炭素被覆メソポーラスシリカに吸着したNeの中性子回折測定をイギリスのISIS Facilityに申請した。これにより,ナノ細孔中の量子性Neの相転移挙動の解明を目指す。
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