研究概要 |
規則性メソポーラスシリカ(SBA-15)の細孔表面を炭素によって被覆した新規サンプル(C/SBA-15,細孔径5.5nm)へのNe,ArおよびKr吸着等温線を広い温度範囲(16-127K)において測定し,それぞれの細孔内流体のP-T相図を求めた。得られた細孔内流体のP-T相図をバルク流体の臨界圧力および臨界温度によって換算し,P-T相図の換算変数依存性を調べたところ,ArとKrでは非常に良い一致が得られた。これは,細孔内の古典流体が対応状態の原理に従うことを示唆している。一方で,細孔内Neの換算P-T相図は古典流体のP-T相図から大きく逸脱し,かつ古典流体よりも凝固点が上昇しており,対応状態の原理に従わないことが明らかになった。即ち,比較的質量の大きなNeですら,細孔内においてその量子効果を無視出来ないことが明らかになった。
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