1.TiO_2-DNAナノ複合体(TiO_2/DNA)の合成 .TiC1_4の加水分解により合成した直径約3nmのTiO_2ナノ粒子をカバーガラス上にスピンコートすることによりTiO_2薄膜を作成した。この薄膜に、吸着部位としてカテコールを化学修飾したDNA(CA-DNA)をカコジル酸バッファー溶液中で結合させた。ここで、CA-DNAはポストモディフィケーション法によって合成した。CA-DNAの構造は質量分析法およびUV/Vis吸収スペクトル法により決定した。単一分子蛍光観察のプローブとして発光性量子ドット(QD)を修飾したDNAを相補鎖として用いた。 2.TiO_2/DNAの単一分子蛍光観察 全反射蛍光顕微鏡を用いて、Tio_2/DNAを単一分子レベルで蛍光観察した。TiO_2への紫外光照射により、結合させたDNAがTiO_2薄膜上からバッファー中へ解離することを見出した。紫外光照射によって引き起こされる複合体開裂に対する核酸塩基ミスマッチ効果から、光触媒反応機構を考察した。また、捕捉剤添加実験から、ヒドロキシルラジカルなど種々の活性酸素種がTiO_2/DNAの開裂反応に及ぼす影響について明らかにした。 3.その他 以下の項目等についての検討を行い、学術論文等として発表した。いずれも本研究課題と密接に関連した研究である。 (1)TiO_2ナノ粒子に吸着したペリレンジイミド色素の単一分子蛍光観察 (2)単一分子蛍光分光法を用いた非接触TiO_2光触媒反応機構の解明
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