「光る虫」といえば「ホタル」とすぐに連想できるほど、我々にとってホタルは身近で、かつ心が惹きつけられる存在である。このようにホタルルシフェラーゼといえば発光反応を触媒する酵素だと思われがちであるが、実は立体選択的なチオエステル化という、もう一つの触媒活性があることを発見した。例えば構造中に1つの不斉点を有するケトプロフェンを基質とした場合、ヘイケボタル由来ルシフェラーゼはR体を優先的にチオエステル体へと変換する。本研究では、本酵素がどのように基質の不斉を識別しているのかを明らかにするために、ホタルルシフェラーゼを用いたチオエステル化反応の詳細な機構解析やMDシミュレーション、および結晶構造解析を試み、その理由の一端を明らかにすることができた。
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