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2007 年度 実績報告書

タンパク超分子を用いた高輝度半導体ナノ粒子の開発・発光特性評価とデバイス応用

研究課題

研究課題/領域番号 19750162
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

三浦 篤志  奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 研究員 (90379553)

キーワードフェリチン / 半導体ナノ粒子 / バイオミネラリゼーション / 発光材料 / 分光特性 / 光バイオナノプロセス / 走査プローブ顕微鏡
研究概要

本研究では生体鉱物形成作用"バイオミネラリゼーション"能を持つ球殻状超分子タンパク質、リステリアフェリチンを利用して、CdSナノ粒子-タンパク質複合ナノコンポジットを作製し、作製された半導体ナノ粒子の発光材料応用に向けた発光特性解析を行っている。
本年度は19年度実験計画に従い、発光効率改善に向けた最適粒子形成条件の探索をナノ粒子形成時の反応溶液条件を変化させて検討すると共に、作製されたCdSナノ粒子の吸収、発光スペクトル測定、および蛍光寿命測定を行う事で、作製されたCdSナノ粒子の発光特性評価もあわせて行った。
粒子形成反応時には、効率的なタンパク内部空孔中のみでのCdSナノ粒子形成の促進が重要になる。そこで、CdS形成時にイオン源となるCdイオン濃度、Sイオン濃度、保護剤としてのNH_3イオン濃度、反応温度、pHといった溶液条件を変化させ、形成されたCdSナノ粒子を透過型電子顕微鏡を用いて分析したところ、Cd:Sイオン比が1:5、NH_3濃度がCdイオン1mMに対して75mM、室温下、pH8.5の時に粒子形成率50%以上の高収率で形成される事を明らかにした。この条件下で形成されたナノ粒子は、若干多結晶状の立方晶系のCdSであることがエネルギー分散型X線分光、エネルギー損失分光、X線回折分析、X線光電子分光より示された。作製されたCdS-リステリアの吸収・蛍光スペクトル測定結果より、CdSバンドギャップ由来の吸収ピークが415nm付近に観測されたが、蛍光スペクトルにおいては600nm付近にピークを持つ長波長側にシフトした発光スペクトルが得られた。この発光成分の蛍光寿命は、十数nsと非常に長寿命な成分であった。これらのことより、蛍光スペクトル中で観測された長波長域での発光は、結晶中に存在する粒界にトラップされた励起子の再結合に起因する発光であると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Floating nanodot gate memory fabrication with biomineralized nanodot as charge storage node2008

    • 著者名/発表者名
      A. Miura
    • 雑誌名

      Journal of Applied Physics 103

      ページ: 074503

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cadmium Sulfide Nanoparticle Synthesis in Dps Protein from Listeria innocua2007

    • 著者名/発表者名
      K. Iwahori
    • 雑誌名

      Chemistry of Materials 19

      ページ: 3105-3111

    • 査読あり
  • [学会発表] タンパク質を鋳型に合成された化合物半導体バイオナノドツトの分光特性2008

    • 著者名/発表者名
      三浦篤志
    • 学会等名
      第55回応用物理学関連連合講演会
    • 発表場所
      日本大学(千葉)
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] かご状超分子タンパク質を鋳型に合成した化合物半導体バイオナノドツトの分光特性2007

    • 著者名/発表者名
      三浦篤志
    • 学会等名
      第68回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      北海道工業大学(北海道)
    • 年月日
      2007-09-05
  • [図書] バイオナノプロセス-溶液中でナノ構造を作るウェット・ナノテクノロジーの薦め2008

    • 著者名/発表者名
      河村秀樹, 三浦篤志
    • 総ページ数
      6-2116
    • 出版者
      シーエムシー出版

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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