研究概要 |
H20年度は、H19年度に投稿した高圧力下でのGI結晶表面のステップ観察の実験法についてのCrystal Growth & Design誌のrevisionを行った。reviewerの意見が割れたことで、査読作業が長引いてしまったが、revisionにおける主たる課題である、elementary stepの論理的な証明に成功し、3人全てのreviewerを説得できた。現在3人のうちの1人のreviewerに対し、別の追加実験を含めた再revise作業中であり、これが終了すれば受理される。 H20年度の実験の成果として、まず、1. 内部セルを用いて、高圧力下での実験方法の簡易化を成功させた。具体的には、サファイア窓にガラスキャピラリーを接着した内部セル中で結晶化を行うことで、圧漏れ時の試料流失および溶液交換時の結晶損失を防ぐことができた。更に、2. 自立型圧力インジケータつき高圧力下X線散乱測定セルを新たに作製し、常圧下で育成したGI結晶の高圧力下その場構造解析を実施した。その結果、2A程度の高い分解能で、高圧力下でのmonomer, tetramerの圧縮とtetramer間の距離の収縮を明らかにすることができた。この結果は、現在測定自立セルの技術論文(Review of Scientific Instrumentsに投稿予定)および結晶構造解析の論文(Crystal Growth & Designに投稿予定)として投稿準備中である。H19年度に行った高圧力下結晶化GI結晶の常圧下構造解析の結果は日本語の解説(高圧バイオサイエンスとバイオテクノロジー)として出版できた。
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