H21年度は、高圧力下でのGI結晶表面のステップ観察の実験法についてのCrystal Growth & Design誌のrevisionを完了した。また、7月に行われた国際高圧力学会で発表した二件について、Journal of Physics : Conference Series(査読つき)に受理された。2010年度に出版される予定である。 H21年度の実験の成果として、まず、1.ステップカイネティック係数の圧力依存性を出すことに成功した。具体的には、高圧容器内の溶液の完全な置換のため、一度導入した内部セル様式をやめ、セル内部を一回ごとに洗浄・乾燥後に新たな試験溶液を注入する方式を導入した。内部セル様式では、圧漏れによる試料流出などを防ぐことはできたが、溶液の完全な交換に難があった。しかし、新方式では、圧漏れ対策を十分に行うことでうまくいった。今後、更なるデータ収集により、キンク取り込み過程の活性化エネルギーの圧力依存性や、活性化体積の温度依存性を明らかにする予定である。また、2.今後の展開のため、ステップの前進・後退を観察することによる、迅速・高精度溶解度測定法を確立した。この結果は、前述のJournal of Physics : Conference Series(査読つき)に受理されたものの一つである。 更に、1の実験結果の解釈をサポートするための、3.3次元核生成頻度に及ぼす圧力効果の研究結果をまとめた。この結果も、前述のJournal of Physics : Conference Series(査読つき)に受理されたものの一つである。
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