本研究では、新しいガラスへの記録方式である、"コロナ帯電を利用したガラスへのホログラム記録"の方式を確立し、将来の実用化につながるような研究を実施してきた。現在までに、コロナ帯電を用いたガラスへのホログラム記録の基礎実験、メカニズム解明および、ホログラム記録の最適化、耐環境性評価、ホログラム記録方式の検討をおこなった。 今年度は、昨年度から進めてきたガラスへのホログラム記録方式に着目し研究を継続した。更なる実験を進めた結果、ガラスには"表面レリーフ型ホログラム"およびガラス表面近傍に記録される"薄い位相ホログラム"の2通りが記録されている確証を得るに至った。この2種類のホログラムの割合は調整が可能であり、"薄い位相ホログラム"として記録することで、消去可能なホログラムとなる。また、"表面レリーフ型ホログラム"として記録することで、300℃以上の耐熱性を有するホログラムとなることを確認した。また、"表面レリーフ型ホログラム"を特別な方法を用いて処理することにより回折効率が最大で数十倍に増大できることが分かった。ガラスを大面積かつ非接触で加工できる技術になることが期待される。 今年度で4年間の研究期間は終了となるが、ホログラム記録の基礎実験、メカニズム解明、ホログラム記録の最適化、耐環境性評価、ホログラム記録方式検討に関する研究をほぼ予定通り終了することができた。研究期間終了後も実用化に向けて研究を継続していく。
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