研究概要 |
本研究の遂行には、表面増強ラマン散乱(SERS)と"SERSを誘因している"局在プラズモン共鳴(LSPR)を選択的に測定する必要があること、FDTD法で実験結果を再現するため単純な形状を持つ銀ナノ粒子凝集体を選んで分光測定しなければならないこと、の2点が重要である。よって、銀ナノ粒子凝集体一つ一つのLSPRスペクトルとSERSスペクトルを測定できる専用の顕微分光システムを作製に取り組み完成・動作評価を行った。 顕微分光する被測定分子として最初に単一分子SERSに実績のあるローダミン6Gを用いた。銀ナノ粒子はLee-Meiselクエン酸還元法により作製されたもの(平均粒径40nm)を用いた。銀ナノ粒子分散液(〜10^<-10>M)とほぼ同濃度のローダミン6G水溶液とNaC1水溶液(20mM)を混合し,この混合液をガラス基板上に分散させ,顕微光散乱像とSEM像両方で確認しながら,同一銀ナノ粒子凝集体に対してLSPR共鳴レーリー散乱スペクトルとSEM像の比較を行った。LSPRレイリースペクトルとSERSスペクトルはレーリー散乱効率が既知の金ナノ球粒で強度補正するここにより,散乱断面積スペクトルに変換した。この変換により実験のスペクトルでFDTD計算のプラズモン共鳴とSERSスペクトルを定量的に評価できるようにした。FDTD計算による実験結果の再現を5台のPCで並列計算を行うことにより達成する準備を整えた。
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