• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

イオンビームを利用した蓄光体の残光寿命改善

研究課題

研究課題/領域番号 19760042
研究機関日本原子力研究開発機構

研究代表者

藤 健太郎  独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究員 (40344717)

キーワード蓄光体 / 残光 / イオンビーム
研究概要

蓄光体は長残光性蛍光体とも呼ばれ、夜光塗料の代替品としてとして開発されたものである。その特性は残光時間および発光波長で決められており、残光寿命特性は、捕獲中心である準安定状態のエネルギー準位の有無、およびそのエネルギーにより決定する。
本年度は衝突作用(核的作用)を生じ、材料中に構造変化をもたらすイオンビーム源としてプロトンを用い、プロトンのエネルギーを変化させながら蓄光体に対して照射を行い、その照射効果を調べた。ここで蓄光体はイオンビーム照射下で強い発光(照射誘起発光)を持ち、その入射粒子のエネルギーに対して依存性を有しているということがわかった。このことから、発光を用いたエネルギー弁別の可能性を見出した。残光寿命を測定したところ、その寿命は入射プロトンの照射量によって異なり、6.8xl0^<20>/m^2以下の照射量では、プロトンの照射量が大きくなるにっれ残光寿命が長くなるということが分かった。プロトンを用いることで発光(捕獲)中心の構造変化、およびそれに伴うエネルギー準位の変化を生成させ、蓄光体の機能(寿命)を改善できたと考えられる。前年度の結果より、イオンビームの核的作用により残光寿命の変化は期待できるが、同時に核的作用により照射損傷も引き起こす1すなわち寿命改善・発光量減少が同時に生じるということが分かっている。しかしながら、本年度の結果では、6.8x10^<20>/m^2以下の照射量では残光寿命の改善効果は顕著であったが、照射損傷による発光量減少は確認できなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Effect of 14-MeV neutrons on strontium-aluminate-based long-lasting phosphor2009

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Toh
    • 雑誌名

      Journal of Nuclear Materials 386-388

      ページ: 1027-1029

    • 査読あり
  • [学会発表] 放射線を利用した蓄光体の残光寿命改善2010

    • 著者名/発表者名
      藤健太郎
    • 学会等名
      2010年春季 第57回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      東海大学
    • 年月日
      2010-03-19
  • [学会発表] Proton-induced fluorescence and long lasting emission of Sr4_Al_<14>O_<25> : Eu^<2+>, Dy^<3+>2009

    • 著者名/発表者名
      藤健太郎
    • 学会等名
      2009 IEEE Nuclear Science Symposium
    • 発表場所
      Orlando, USA
    • 年月日
      2009-10-27

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi