中性子波動を空間的に分割・重ね合わせする素子「ビームスプリッティングエタロン」によるJamin型冷中性子干渉計は、人工多層膜ミラーを用いることで適用波長を長く、装置を大型化し、干渉計の感度を向上させることができる。ビーム分離の大きいエタロンを用いた大型の干渉計の開発を進めた。またミラーとして複数の波長領域に対して反射できる「多色ミラー」を開発しこれを干渉計に組み込み、「多色中性子干渉計」を構築することに成功した。一方中性子スピンエコーは試料のダイナミクスを測定できる準弾性散乱分光装置である。その一種である共鳴スピンエコーでは共鳴スピンフリッパーの振動磁場の周波数が高いほど測定の分解能が向上する。新しく開発した鉄芯入りの電磁石を用いて、従来の20分の1の電力で安全に高周波のスピンエコー装置を組むことに成功した。
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