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2007 年度 実績報告書

結晶表面制御による高安定高分解能テルル化カドミウム半導体放射線検出素子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19760050
研究機関琉球大学

研究代表者

山里 将朗  琉球大学, 工学部, 准教授 (10322299)

キーワード放射線検出素子 / テルル化カドミウム / プラズマ表面処理 / ショットキー電極
研究概要

電極を形成する前のCdTe結晶表面の状態を明確にするため,有機洗浄,酸化層除去前後の結晶表面の組成およびフェルミ準位を全反射光電子分光装置(TRXPS)を用いて調べた.さらに,In,Al,Tiショットキー電極を洗浄後の表面に形成し,表面状態が整流特性に与える影響を調べ,プラズマ処理によるCdTe表面処理技術を開発した.装置は誘導結合型のプラズマ処理装置を用い,CdTe結晶を石英間の中において,表面処理を行う.ガスとしては,He,H_2を用いる.CdTe単結晶の鏡面研磨時に用いるBr-メタノールエッチング処理により,CdTe表面にはTeリッチ層が存在することがわかっている.Heを用いたプラズマ処理においてTeリッチ層が取り除かれ,化学量論比からなる表面が得られる事がわかり,その結果,Cd面,Te面の両面において,整流特性が大幅に改善される事を明らかにした.さらに,水素プラズマ処理においては,処理時間を調整することにより,化学量論的組成からCdリッチな状態まで,CdTe表面のTe/Cd組成比を制御できる事を明らかにした.また,Cdリッチ層が存在する場合でも電流-電圧特性が改善されることを示した.そして,処理後のCdTe表面に電子ビーム蒸着法で,ショットキー素子を形成し,整流特性,放射線検出特性を測定し,表面状態がショットキー障壁高さ,リーク電流特性,整流特性に与える影響を調べ,表面制御技術の有効性を確かめた.さらに,水素プラズマ処理により表面を化学量論的組成及びCdリッチな状態としたいずれの試料においても,半値幅が2keV以下と小さく良好な放射線検出特性が得られた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ショットキー電極形成におけるCdTe(111)表面への水素プラズマ処理効果2007

    • 著者名/発表者名
      山里将朗, 比嘉晃, 渡久地實, 大湾育美, 大野良一
    • 雑誌名

      放射線 33

      ページ: 165-169

    • 査読あり
  • [学会発表] CdTe(111)Te面上へのA1ショットキー電極形成における硫黄処理の効果(II)2008

    • 著者名/発表者名
      山入端 悟, 山内 徹也, 山里将朗, 大野良一, 比嘉 晃
    • 学会等名
      第55回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      日本大学船橋キャンパス
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] CdTe(111)Te面上へのAlショットキー電極形成における硫黄処理の効果2007

    • 著者名/発表者名
      山入端悟,山内英,山里将朗,大野良一,比嘉晃
    • 学会等名
      第68回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      北海道工業大学
    • 年月日
      2007-09-06

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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