結晶・非晶質構造体の局所塑性変形の連結・伝ぱメカニズムに関する原子・分子論的研究

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19760061
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 機械材料・材料力学
• 研究機関: 金沢大学
• 研究代表者: 下川 智嗣 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (40361977)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: 分子動力学法 / 塑性変形 / 力学特性 / 転位 / 粒界 / 高分子材料 / ナノ結晶 / 計算力学

研究概要

ナノ結晶や非晶質ポリマー等の様々な構造の固体材料が示す類似した速度に依存する変形・破壊モードの遷移現象を,各原子・分子構造に基づいて理解することを目的とすし,分子動力学法を用いた計算機実験を行なった.その結果,格子欠陥や分子鎖形状の局所的な形態変化(例えば,面欠陥と線欠陥の形態変化)に対する容易さが,局所塑性変形の発生や伝ぱに強く関係していることを解明した.

研究成果

• [雑誌論文] 原子シミュレーションにおける粒界近傍のき裂先端から連続転位放出する現象に対するJ積分による評価 (2010)
  • 著者名/発表者名: 木下惠介, 下川智嗣, 喜成年泰
  • 雑誌名: 材料 (掲載決定)
  • 査読あり
• [雑誌論文] The Effect of Severe Plastic Defo rmation on the Brittle-Ductile Transiti on in Low Carbon Steel (2010)
  • 著者名/発表者名: M. Tanaka, K. Higashida, T. Shimo kawa
  • 雑誌名: Materials Scien ce Forum 633-634 ページ: 471-480
  • 査読あり
• [雑誌論文] Adaptive Mesh Refinement with Ela stic Stiffness Coefficients in the Quas icontinuum Model (2009)
  • 著者名/発表者名: T. Shimokawa, T. Kinari, S. Shin taku
  • 雑誌名: Journal of Computatio nal Science and Technology 3 ページ: 408-416
  • 査読あり
• [雑誌論文] 弾性剛性係数を用いた準連続体モデルの自動要素分割に関する研究 (2008)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣, 喜成年泰, 新宅救徳
  • 雑誌名: 日本機械学会論文集 A編,738巻 ページ: 27-33
  • 査読あり
• [雑誌論文] 原子スケール計算機実験による積層欠陥エネルギーの異なるナノ結晶体の粒界構造と力学特性の関係 (2008)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣, 喜成年泰, 新宅救徳
  • 雑誌名: 材料 57巻 ページ: 761-767
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effect of Extrinsic G rain Boundary Dislocations on Mechanica l Properties of Ultrafine-Grained Metal s by Molecular Dynamics Simulations (2008)
  • 著者名/発表者名: T. Shimokawa, T. Hiramoto, T. Kinari, S. Shintaku
  • 雑誌名: Ma terials Transactions 50 ページ: 2-10
  • 査読あり
• [雑誌論文] Brittle-ductile tran sition in low carbon steel deformed by the accumulative roll bonding process (2008)
  • 著者名/発表者名: M. Tanaka, K. Higashida, T. Shimokaw a, T. Morikawa
  • 雑誌名: Materials Transactions 50 ページ: 56-63
  • 査読あり
• [雑誌論文] Interaction mechanism between edge dislocations and asymmetrical tilt grain boundaries investigated via quasicontinuum simulations (2007)
  • 著者名/発表者名: T. Shimokawa, T. Kinari, S. Shintaku
  • 雑誌名: Physical Review B 75 ページ: 144108(1-11)
  • 査読あり
• [雑誌論文] Atomic simulations on the grain subdivision of a crystalline metal (2007)
  • 著者名/発表者名: T. Shimokawa, T. Kinari, S. Shintaku
  • 雑誌名: Materials Science Forum 561-565 ページ: 1983-1986
  • 査読あり
• [雑誌論文] 原子シミュレーションによるAlおよびCuナノ結晶中の欠陥構造に関するエネルギー論的研究 (2007)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣, 平本知之, 喜成年泰, 新宅救徳
  • 雑誌名: 材料 56巻 ページ: 1068-1075
  • 査読あり
• [学会発表] Structural uni t dependence of the dislocation emissio ns from <112> tilt grain boundaries by atomic simulations (2010)
  • 著者名/発表者名: Tomotsugu Shimokawa, Keisuke Kinoshi ta, Toshiyasu Kinari
  • 学会等名: 2nd International W orkshops on Advances in Computational M echanics
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県)
  • 年月日: 20100000
• [学会発表] 格子欠陥の形態遷移現象に関する原子スケール計算機実験 (2009)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣
  • 学会等名: 第19回日本MRS学術シンポジウム
  • 発表場所: 横浜情報文化センター(神奈川県)
  • 年月日: 2009-12-08
• [学会発表] 粒界の転位源能力に関する原子スケール解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣
  • 学会等名: 日本金属学会2009年度秋期大会
  • 発表場所: 京都大学(京都府)
  • 年月日: 2009-09-15
• [学会発表] 原子シミュレーションによる内部欠陥応力場の発展に基づく粒内から粒界への転位源遷移現象 (2009)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣・木下恵介
  • 学会等名: 日本材料学会第14回分子動力学シンポジウム
  • 発表場所: 愛媛県県民文化会館(愛媛県)
  • 年月日: 2009-05-22
• [学会発表] UFG材の内部欠陥応力場の発展による転位源遷移とDBTTの関係に関する原子シミュレーション (2009)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣・木下恵介・田中將己・東田賢二
  • 学会等名: 日本金属学会2009年度春期大会
  • 発表場所: 東京工業大学(東京都)
  • 年月日: 2009-03-30
• [学会発表] 超微細粒材料の延性脆性遷移温度に関する分子動力学解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣
  • 学会等名: 日本機械学会北陸信越支部第46期総会・講演会
  • 発表場所: 富山大学(富山県)
  • 年月日: 2009-03-07
• [学会発表] 分子動力学法による超微細粒材の延性特性と粒径B imodal分布の関係 (2008)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣・喜成年泰・新宅救徳
  • 学会等名: 第13回計算工学会講演会
  • 発表場所: 仙台市民会館(宮城県)
  • 年月日: 2008-05-21
• [学会発表] 原子スケールの計算機実験によるマクロ力学特性の解明 (2008)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣
  • 学会等名: 日本学術振興会「材料の微細構造と機能性第133委員会」第197回研究会
  • 発表場所: 東京理科大学(東京都)
  • 年月日: 2008-04-18
• [学会発表] 原子スケール計算機実験による超微細粒材の力学特性とextrinsic粒界転位の関係 (2008)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣・平本知之・喜成年泰・新宅救徳
  • 学会等名: 日本金属学会2008年度春期大会
  • 発表場所: 武蔵工業大学(東京都)
  • 年月日: 2008-03-28
• [学会発表] Atomic Simulations on the Grain S ubdivision of a Crystalline Metal (2007)
  • 著者名/発表者名: T. Shimokawa, T. Kinari, S. Shin taku
  • 学会等名: PRIC M6-The Sixth Pacific Rim International Conference on Advanced Materials and P rocessing
  • 発表場所: 済州島(韓国)
  • 年月日: 2007-11-07
• [学会発表] 原子スケール計算機実験によるナノ構造体の欠陥構造と力学特性の関係 (2007)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣
  • 学会等名: 日本機械学会2007年度年次大会
  • 発表場所: 関西大学(大阪府)
  • 年月日: 2007-09-12
• [学会発表] 局所擬連続体法の自動要素分割と非局所構造遷移のしきい値に関する研究 (2007)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣・野島嗣晋・喜成年泰・新宅救徳
  • 学会等名: 第12回日本計算工学会講演会
  • 発表場所: 国立青少年オリンピック記念センター(東京都)
  • 年月日: 2007-05-23
• [学会発表] 拡張した三体力を有する2次元モデルを用いた高分子材料の変形メカニズムに関する研究 (2007)
  • 著者名/発表者名: 下川智嗣・喜成年泰・新宅救徳
  • 学会等名: 日本材料学会第12回分子動力学シンポジウム
  • 発表場所: 名城大学(愛知県)
  • 年月日: 2007-05-18
• [学会発表] Atomistic Simulations of Interface Properties in Metals, Eur oSimE 2007-Thermal (2007)
  • 著者名/発表者名: T. Shimokawa
  • 学会等名: Mechanical and Mul tiphysics Simulation and Experiments in Micro-Electronics and Micro-Systems-
  • 発表場所: ロンドン(イギリス)
  • 年月日: 2007-04-16
• [備考]
  • URL: http://mechs.ms.t.kanazawa-u.ac.jp/~simokawa/