研究概要 |
本研究では,応答曲面法と大域的最適化法を組み合わせた実務レベルの設計を視野に入れた統合的最適設計支援システムの構築を行っている.具体的には,応答曲面構築に非線形性の弱い関数から強い関数まで,高範囲にわたり良好な近似が可能とされているRBFネットワークを用いている.RBFネットワークを用いた応答曲面構築においては,RBFネットワーク内に含まれるパラメータ(半径式)の検討を行い,応答曲面の精度が向上するような半径式を提案した.良好な応答曲面近似を得るための条件として,以下の条件を満足することが重要であることが判明した. (1)設計変数の数,すなわち次元を考慮できること,(2)サンプル点の数を考慮できること,(3)サンプル点間の距離を考慮できること,(4)サンプル点数の増加に伴い,次元の大きさに依存せず,ある同じ値に収束すること.上記4項目を考慮した新たな半径式を提案し,その有効性を,数値計算例を通じて確認した.また,従来の応答曲面法を用いた最適設計法では,制約条件の取り扱いがあいまいにされており,その取扱いについて検討を行った.具体的には,RBFネットワークの出力に目的関数値と制約条件値を同時に考慮したネットワーク出力関数と称する関数を新たに提案し,その有効性を検討した.ネットワーク出力関数とは,サンプル点の実行可能性の有無を判別するパラメータが導入されており,さらにすべての制約条件を満足したサンプル点に対しては目的関数値を出力させ,一方で制約条件を満足しないサンプル点に対しては制約条件の違反量を反映させるという特徴を有した関数である.これらの研究成果は,日本機械学会論文集に掲載されている.
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