研究概要 |
アルミニウム合金ダイカストは,生産性と寸法精度が高いため,自動車部品をはじめ様々な機械構造部品に使用されている。近年,安定した品質を持つ高強度の機械部品をダイカスト化する要求が高まっている。ダイカスト法では溶湯が金型内に高速、高圧で射出されるため,さまざまな鋳造欠陥が発生する。そしてこれらの欠陥が製品の要求品質を阻害する可能性がある。しかし鋳造欠陥を皆無にすることは難しく,またコストの増大を招く。この問題を解決するためにホットチャンバダイカスト法が有効的な手段と考えられている。我々はアルミホヅトチャンバダイカストの品質と機械的強度が優れていることが明らかにしてきた。しかしこの鋳造プロセスにはいくつかの問題がある。これはホヅトチャンバダイカストで使用されているセラミックス、スリーブやセラミックスピストンの寿命が短いことである。このセラミヅクス部品は高温強度の優れている素材を用いている。しかし,このセラミックス部品は数千ショットサイクルで破損する。現在この破損原因は明らかでない。今後アルミホットチャンバダイカストの実用化にはこの原因究明が必要となる。本研究では,まず高強度セラミヅックスの材料特性を大気中,高温大気中,アルミ合金の湯溶中の3条件で調査する。材料特性は静的強度,疲労強度,磨耗特性,酸化性について評価する。実験では約5種類の高強度セラミックス材を用いる。昨年度アルミ合金湯溶中で材料特性を評価できる実験装置の製作を行った。また,上記の3条件で静的強度と磨耗特性について調査を行った。大気中とアルミ合金湯溶中では材料特性が大きく異なることが明らかになった。またこれらの特性は材料の種類によって大きく変化した。現在,疲労試験を行っている。この試験後,酸化性について調査を行う。
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