研究概要 |
本年度は前年度の,角管とその多穴異形管(日型断面)及び2本の円管を束ねた異形集合管の成果を踏まえて,安定した加熱が可能で柔軟性に富むレーザー加熱方式による小型ダイレスマイクロ引抜き装置の設計試作と,新たに角管およびその集合管のダイレスマイクロ引抜き法の可能性について検討し,各検討項目について以下の成果を得た。 (1)超塑性単軸引張試験における自由表面あれの評価 Al-78Zn超塑性合金及び比較材としてアルミニウム超塑性合金を用い,熱処理によって結晶粒径の微視組織を変化させた材料を用意し,材料の結晶粒径,結晶構造など微視組織の違いが表面性状に及ぼす影響を調査し,基礎データの蓄積を行った (2)結晶粒を考慮したFEMシミュレーションによる自由表面あれ挙動のメゾスコピック解析 自由表面あれ挙動を解析するために結晶粒及び表面の凹凸を考慮したFEMモデルを作成した.解析では材料内部に個々の結晶粒をモデリングし,各々の結晶粒(すなわち単結晶)の変形抵抗が結晶方位によって異なると仮定した不均質な材料モデルを用いた.本解析を用いて結晶粒の材料特性値が自由表面あれ挙動に及ぼう影響を明らかにした. (3)自由表面あれ挙動のin-situ観察用高温引張試験装置の設計・試作 高精度サーボモーター,引張用のジグ,荷重測定のための小型高精度ロードセルなどを用いてin-situ観察が可能な高温引張試験装置の設計・試作を行った.
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