研究概要 |
平成19年度は,同時5軸制御加工を対象に,工作機械の可動範囲内で動作することを考慮したうえで,工具姿勢の変化量が最小となる加工経路を生成する手法について検討した. 干渉回避を考慮した5軸制御加工の工具経路を生成する手法として,工具姿勢と工具干渉の有無を表現した2次元コンフィギュレーション空間を用いる手法が提案されている.本研究では,機械の可動範囲外となる工具姿勢に対応する領域をコンフィギュレーション空間上から取り除くことにより,機械の可動範囲を考慮した工具経路を生成する手法を開発した.また,2次元コンフィギュレーション空間を拡張して経路全体を3次元的に表現した3次元コンフィギュレーション空間における最短経路探索により,工具姿勢の変化量が最小となる経路の生成が可能となった. 計算機実験を行い,従来の手法と本研究の手法で生成した工具経路データと工作機械の制御用コードであるNCデータを比較したところ,工具経路データにおける工具姿勢の変化量およびNCデータにおける各駆動軸の動作量が軽減されることを確認した.さらに,加工実験を行った結果,全て機械の可動範囲内で動作し,工具が干渉することなく,連続的な工具姿勢で加工できることを確認した.以上の結果から,本研究で提案した手法の有効性を確認することができた.
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