研究概要 |
1.アシストガス流の特性の検討 これまでに作製した直径0.5mmのラバルスロードを有する高性能ノズルからのアシストガス流をシュリーレン法にて観察したところ,自由噴流では垂直衝撃波面が存在しないガス流れを得られていることが判明した.アシストガスの流速を熱線流速計によりラバルスロートを有するノズルとストレートスロートを有するノズルで相対的に比較したところ,ストレートスロートではノズルに供給する圧力を上昇させてもある一定値に漸近したが,ラバルストートでは試料上ガス圧に対して比例的に増大しており,大きな流速を得られていることが明かとなった。一方,ノズル直下に試料を設置した場合は自由噴流とは異なり,垂直衝撃波面の発生が確認された.しかし,ノズルに供給するアシストガス圧力を増大させると垂直衝撃波面がノズルから離れる方向へと移動し,試料上ガス圧が著しく上昇する領域が存在した. 2.高性能ノズルの設計,製作 これまでの結果より,流速を高め,アシストガスの流れをスムーズにするとで試料上でのガス圧上昇が確認された.そこで,ガス流れの直進性を向上させることを目的にスロート部に直線部を有するラバルスロートノズルを新たに設計,製作して評価したところ,若干ではあるが,試料上ガス圧の上昇が確認された.また,出口部に直線部を有するラバルスロートノズルも設計,作製して同様に評価したところ,ギャップ距離が離れてもガス圧力を維持できているなど良好な結果が得られた.これにより,カーフ幅が著しく狭くなるシングルモードファイバーレーザであっても良好な結果が期待できる.これらのノズルを設置可能な加工ヘッドを設計,製作し,既存のレーザ光照射装置と接続,調整を行うことができた. 3.レーザ光吸収特性の評価 切断加工中の透過光を積分球にて測定する評価システムを構築し,送り速度の増大にともなって測定値が変化することが確認できた.
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