研究概要 |
現在、5軸制御マシニングセンタの精度評価法としてダブルボールバーを用いた評価法が提案されている. その評価方法には考慮すべき誤差要因があるため、実機による実験によって測定の再現性を評価し, その測定誤差に影響を与える要因を検討した. その結果, 測定速度や, 測定角度範囲が測定精度に与える影響が大きいことを明らかにし, 測定する際の留意点を示すことができた. そして, 5軸マシニングセンタの高精度・高能率な性能評価法として, アーティファクトを使った評価法を新たに提案し, その方法の妥当性についで検討を行った. 提案した評価方法は, 球が3次元的に配置されたアーティファクトと, その球の中心座標を測定できる検出器で測定することで評価する方法である. その球の中心座標位置はあらかじめ, 高精度な測定機で校正されているとして, 計算機上にて, 5軸マシニングセンタの各運動軸間の幾何学的な偏差を与え, アーティファクトを測定した際の測定誤差から, それらの幾何学的な偏差を最小自乗法によって推定した. 推定した偏差は, 工作機械の創成理論に則って, 工具-工作物間に直接影響を及ぼす偏差として13個の偏差を推定対象とした. その推定され13個の偏差は高い精度で推定可能であることを示すことができ, 本手法の妥当性を示すことができた.
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