研究概要 |
微細金型やマイクロマシン,微細ノズルなどの微細加工技術の進歩に伴い,細かい幾何形状を測定する重要性は増加している。本研究では,小径深穴の測定が可能なプローブとして,微細径の光ファイバを用いることにより,低測定力・検出機構が簡便で10μm以下の小径穴の測定が可能な微小穴内径測定器の開発を目的とする。 本年度は光ファイバプローブの最適設計および製造技術の開発,各種理論解析を目的とした研究を実施し,以下の成果を得た。 1.幾何光線追跡シミュレーションを用いた光学系設計パラメータの最適化Box-Muller法によりガウス分布の乱数を生成し,この分布に基づく光線を,投光用ファイバから射出する。その後,順次光学系内を光線追跡し,受光用ファイバ端面での結合効率解析を行い,各フォトダイオードで検出する光強度値を算出する。この解析結果から,ファイバ間距離などの光学系設計パラメータ最適値を算出した。また,シミュレーションによりプローブ用ファイバ変位の検出が可能であることを示した。 2.小径プローブの製作フッ酸を用いたウェットエッチング技術により,光ファイバプローブの小径化(10μm以下)を達成した。また,アーク放電によりファイバ先端を溶融させることで微小径の測定子が作成できた。 3.プローブ測定力の理論的解析接触プローブの測定力について理論的解析を行い,10μmファイバを使用し,先端変位が0.4μmの際に測定力が0.001μN以下,30μmファイバを使用し,先端変位が0.4μmの際に測定力が0.027μN以下であることを確認した。
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