研究概要 |
微細金型やマイクロマシン, 微細ノズルなどの微細加工技術の進歩に伴い, 細かい幾何形状を測定する重要性は増加している. 本研究では, 小径深穴の測定が可能なプローブとして, 微細径の光ファイバを用いることにより, 低測定力・検出機構が簡便で10μm以下の小径穴の測定が可能な微小穴内径測定器の開発を目的とする. 本年度は光ファイバプローブの最適設計および製造技術の開発, 各種理論解析を目的とした研究を実施し, 以下の成果を得た. 1. プローブ精度評価 プローブ用ファイバ先端に変位を与えるとX, Y方向の出力に変化が生じるが, プローブ先端球と測定対象面の接触方位角度により同じ変位量でもX, Y方向出力の変化量はそれぞれ異なる。そこで, 実際の穴測定を想定し, プローブ先端球と測定対象面の接触方位角度による測定分解能の違いを評価するために測定分解能の方向依存性評価を行った。この結果, プローブ接触子と測定対象面の接触方向に関係なく15nm以上の測定分解能を有することを確認した. 2. プローブ動特性, 測定力の解析 今回の実験で用いた光ファイバプローブ(ヤング率E=72GPa, ファイバ長5mm)の固定端から接触子の中心まで断面直径が一様の円柱とし, 自由端に集中質量 (接触子) を持つ片持ちはりとして算出した一次の共振周波数はf=926Hzである. また, プローブ先端部が約4μm変位した場合で, 算出した測定力は約1.3μNと低測定力であり, 測定力による測定対象面への影響はないことが確認できた。 3. 測定装置の試作 作装置性能を評価する目的で測定装置を試作し, 実際に直径100μmの微小径穴の測定を行い本装置の有用性を確認した.
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