研究概要 |
本研究では,直径100μm以下の微小径穴内壁の表面粗さや真円度,真直度,円筒度などの形状精度,穴径をプローブの測定分解能0.01μm以下および形状測定の繰り返し誤差±0.05μm以下で高精度に測定することを目的とし,微小径・低測定力・高アスペクト比のプローブが容易に得られ,測定範囲が広く走査プローブとして利用可能な光ファイバを用いた新しい測定原理を提案する.提案プローブでは接触子の穴壁接触に伴う変位をレーザで非接触計測するために,プローブシャフトに剛性が必要なくさらにプローブを小径化した場合でも適用可能である. 本年度は,微小径穴の精度を評価する目的で光ファイバプローブを用いた測定装置を試作し,測定システムの測定精度や繰返し性などの性能評価を目的として,標準粗さ片および直径100μmの小径穴を測定し次のような結果を得た.また,直径5μmのプローブ製作し直径10μm以下の小径穴を測定可能であることを確認した. 1. 標準粗さ片を10回繰返し測定した結果,繰り返し誤差はタッチトリガーモードで最大±0.1μm,スキャニングモードで最大±0.03μmである. 2. 直径100μmの小径穴をスキャニングモードで10回繰返し測定した結果,繰り返し誤差は最大で±0.03μmである. 3. 標準粗さ片の全く同一箇所の測定ではないため,詳細な比較はできないが,本測定システムと市販の表面粗さ測定器の標準粗さ片を測定した結果は山の波長や形状,および振幅の絶対値に関して同様の傾向を示す. 4. 直径5μmの光ファイバプローブの製作技術を確立した.
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