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2007 年度 実績報告書

極微量ピコリットル液体の粘性率測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19760140
研究機関東京理科大学

研究代表者

元祐 昌廣  東京理科大学, 工学部, 助教 (80434033)

キーワード粘性率 / マイクロ流体 / 微量計測 / 熱物性
研究概要

本年度は,測定装置の基本要素の開発と性能評価.ならびに測定原理の有効性確認を目的として研究を遂行した.まず,液体中ナノ粒子の挙動をシミュレーションし,パラメトリックスタディを行ったところ,温度条件の影響が極めて強いことが明らかとなった.外部温度を別途計測するのではなく,流体温度を局所的に計測し,その温度情報を粘性率導出に用いることで,温度分布が存在する系にも適用でき,より高い汎用性を有する計測手法につながるため,温度と粘性率の局所同時計測を行うための装置開発を行った.
蛍光顕微鏡に全固体励起小型ブルーレーザ(主要購入備品)を組み込み,高い安定性で微小スケールにおける蛍光観察が可能なシステムを構築した.測定装置の温度管理は重要であり,高い温度安定条件が要求される.そこで,厚さ200μmの銅製マイクロチャネル5層を接合した恒温プレートと恒温水循環装置から構成される高精度温度調節装置を設計・製作し,安定した実験条件の設定を可能とした.
測定試料にナノ粒子と蛍光色素を添加し,色素の蛍光強度より温度を求め,その温度情報を用いてナノ留意運動解析から粘性率を算出することで,温度・粘性率同時計測法を実現するため,マイクロLIF(レーザ誘起蛍光法)を用いた温度計測システムを開発し,温度範囲10〜60degC,空間分解能530nmで温度計測が可能であることを実験的に確認した.また,容積300pLの溶液中の蛍光ナノ粒子挙動に対して,画像処理を用いて粒子位置をトラッキングし,粒子がランダムなブラウン運動を実現していることを確認した後,蛍光強度分布の時間的推移を解析する相関解析アルゴリズムを適用したところ,有為な信号の検出に成功し,微量液体の粘性率測定法の確立に大きく近づいた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Real-Time Sensing of Thermal diffusivity for Dynamic Control of Anisotropic Heat Conduction of Liquid Crystals2008

    • 著者名/発表者名
      M. Motosuke, et. al.
    • 雑誌名

      International Journal of Thermophysiscs (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Time-resolved and Micro-scale Measurement of Thermal Property for Intermolecular Dynamics Using an Infrared Laser2008

    • 著者名/発表者名
      M. Motosuke, et. al.
    • 雑誌名

      Journal of Thermal Science and Technology Vol.3,No.1

      ページ: 124-132

    • 査読あり
  • [学会発表] 流体の局所的温度変化を利用した光学的物質移動技術に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      元祐昌廣, 他
    • 学会等名
      日本機械学会熱工学コンファレンス2007
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2007-11-23
  • [学会発表] レーザを用いた流体局所加熱によるマイクロチャンネル内流動制御2007

    • 著者名/発表者名
      嶋川純, 他
    • 学会等名
      日本機械学会2007年度年次大会
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2007-09-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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