臨界点近傍の流体は2つの特異な現象を有する。1つはピストン効果、2つ目はサーマルプルームである。両者の出現の有無は体系に強く依存する。後者は通常流体でも生じることがあるが、臨界点近傍のヘリウムは熱拡散係数が非常に小さい(1×10^<-9>m^2/secのオーダー)であるために、わずかな温度差でもプルームもしくはそれに相当する温度場を形成する。すなわち微小擾乱に対しても不安定になり流れ場は乱流状態となる。本研究では極低温環境下での臨界点近傍のヘリウムにおける強制対流・自然対流中で生じる不安定波の成長過程及び伝熱特性について明らかにした。
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