研究概要 |
本年度は,油圧アームの新しい構造的特徴を用いた2つの設計論を展開した.具体的内容としては,提案した構成式である一般化連続式を用いてモデリングされた油圧アームがカシミール関数を有する特殊なポートハミルトン系であることを示し,1)非入力端外乱に対する適応追従制御手法,2)非線形インピーダンス制御手法を新たに開発した(下記3論文と1図書と一部執筆中). 当初の計画では,学習制御手法を新たに開発する予定であったが,カシミール関数を用いた設計論が2つ展開できることは予想しておらず,これらの有用性検証を優先させることとなった.ただし,2)の非線形インピーダンス制御手法では機構設計条件が陽に導出されており,この点では当初の計画に沿った進行となった. 意義・重要性としては,1)2)では制御器の構造が単純でロバスト性が期待されること,1)2)ではコントローラの物理的解釈が可能でゲイン調整が比較的容易であること,2)では競合する設計手法が見当たらないこと,がある. さらに,1)2)ともに油圧アームとは異なる対象にも応用することができ,例えば1)では磁気軸受系への応用を考え,高い制御性能が達成されることが実証された.
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