研究概要 |
動的にシステムの構造が変化するシステムに対するシステム同定手法を開発することを目的として, 本年度は以下の2点について研究を行った. 1. 肘関節を持つ2リンクアームロボットへのシステム同定手法の適用 2リンクアームロボットシステムの非線形追従制御に対するデータの獲得, および, 追従制御データに基づく動的可変構造システムの同定手法を適用し, 2リンクアームシステムの数式モデルを構築し, シミュレーションにより構築された数式モデルの有効性を確認した. 2. 羽ばたき飛行ロボットの試作 羽ばたき動作のデータを獲得するための羽ばたき飛行ロボットを試作した. また, 本研究では, 羽ばたき飛行ロボットを作業台に固定し, 前方から強力な送風機で風を当て, 擬似的に飛行環境を再現した簡易的な風洞実験環境を用意した. 羽ばたき飛行ロボットの翼の数か所にカラーマーカを取り付け, 3次元画像処理装置を利用して, 羽ばたきの様子を計測した. 本実験により, システム同定に適した入出力データを獲得した. 得られた実験データに対して, 動的可変構造システムの同定手法を適用し, 羽ばたき飛行ロボットの動的可変構造型の数式モデルを構築した. 今後は構築した数式モデルに対して, 動的可変構造システムの制御手法を利用し, 数式モデルに基づく制御器を設計し, 構築した実験装置上における試作羽ばたきロボットの制御実験を行い, 数式モデルの効果を検証する.
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