研究概要 |
近年,セキュリティー,あるいは人・動物・ロボットや車両等の誘導・移動履歴管理等の目的から,カメラ等のセンサを利用した移動体の位置・姿勢検知と追従の研究・開発が盛んである.本研究は,そのための複数のカメラ・センサから得られる情報を統合する演算方法の設計と,その演算を実行するソフトウェアの実装を行うものである.本年度は,研究のために基本となる画像処理を実装した.さらに,環境に多数取り付けられたカメラの位置姿勢計測を自動化するための新しいパーティクルフィルタアルゴリズム を提案,実装,評価した.提案した手法は存在しているカメラの互いの相対姿勢(6パラメータ×カメラの台数)をパーティクルフィルタで推定するものである.2台のカメラから同時に計測された移動物体の位置からそれらのカメラの相対姿勢を推定するアルゴリズムと,3台のカメラの3組の推定姿勢から,幾何拘束を利用して推定姿勢を修正するアルゴリズムを組み合わせた.3台のカメラの存在するシミュレーション環境と実環境で物体位置計測を行い,その結果を実装したアルゴリズムに入力して提案手法を評価した.その結果,幾何拘束を利用することで安定した推定が行えること,実環境に提案手法が適用可能であることを示した.この手法は,計測自動制御学会システム・情報部門講演会において,部門奨励賞を受賞しており,現在のところ国内だけであるが,高い評価を得ている.また,国際会議IROS2007(サンディエゴ)に参加し,競合研究について最新の動向を調べ,パーティクルフィルタを応用したロボットの制御について発表を行った.さらに,アトランタで行われるロボカップ2007に参加し,情報交換,実装したパーティクルフルタの評価を行った.
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